この前大学の後期日程が終了したのに、
もう次の学年が現役生になろうとしている。
世の中はなんでも先取りだ。

先日、「大学は借金してでも入るところか」という内容で書いた。

今年、大学に入る人。
現在の大学生。(特に、入ってから学部に違和感を感じている人)
これから大学進学を希望する人。
そして、大学を卒業した人。
借金を抱えてでも入った人は、
何を得るべく大学生活を過ごすべきか。


「大卒」の学歴?
学部で得られる資格?
確かにそうだけれども、それだけだと、人生は行き詰まる。

現在、(大学からすれば)悲しいことに、
研究者にならない、多くの大学進学者にとっての、
(つまり、研究機関であることを本質として掲げたい大学からすると
「実を結ばない花」なのかなあ)
私の思う、大学で得るもの。

①進んだ先の学問から見える、社会に対するアプローチの方法
言わずもがな、大学の学問は、
現在・過去・未来の社会のある一面にスポットを当てて研究しているもの。
その研究をすることで、社会をどういう風に見るかという視点が養われる。

②進んだ先の学問を志す人とはどういう人なのか
学問の種類は多岐にわたる。
数多くある学問の中で、自分と同じ学問を志望した人がどういう人なのかを知り、
他者から自分を映し出すことができる。
一種の自己分析。

③学問に興味をもつ理由は何なのか
②同様、自分を分析することに結びつく。
進んだ学部の内容に、興味を持って取り組めたとしても
むしろ、当初志した学部の内容に興味を失ったとしても
自分自身を再発見することができるだろう。
自己分析を行うことで、自分自身の幸福を追求することができるのではないか。

④大学での人との出会い
これが最も重要だと思う。
高校までとは違い、基本的に大学で出会う人とは、
知的レベルや興味関心が同じ人である。
いわば、高校までの友人は「体験を共有する友人」だが、
大学の友人は「精神世界を共有する友人」というわけだ。
大学において、精神世界を共有するという体験をすることが、
人間としての幅を広げることとなる。

大学に即戦力を求める傾向はますます強くなる。
しかし、大学でないと取れない資格を身に着けた人間になる、というだけなら
この世の中において、いいように使われ、
都合が悪くなれば捨てられるだろう。
それが、あなたにとって本当に幸せなことなのだろうか。
どんな学問であっても、深めることで、
小さくても、個人や社会全体の幸福を追求することができると思う。