こんな夢を見た。
アーケードを歩いていると、車道をマラソンランナーが走り抜ける。
そのマラソンランナーは、かつて、私にアプローチしてくれた人だった。
※※
彼は、若かった。
純粋に私を好きになってくれた。
私の与えるものならどんなつまらないものでも喜んでくれ、私の言葉ならどんな些細なことでも喜んでくれた。
「あなたを女性として守りたい」その目は真剣で、輝いていた。
しかし、私たちは真の恋人にはならなかった。
私たちは、あまりにも年が離れていたからだ。
夢から覚め、私は、現在の自分の恋人のことを思った。
私は、彼のように、純粋に恋人を愛しているだろうか?
答えがNoだと悟った私は。恋人と別れることにした。
いや、こちらから別れを告げずとも、恋人も私から離れたがった。
そうしてどちらからともなく、私と恋人は別れた。
夢から覚めて、私は、安定した、さわやかな気持ちになった。